埋没毛(まいぼつもう)とは、皮膚の中に埋もれてしまった体毛のこと。埋もれ毛とも呼ばれます。

体毛は通常、毛穴から皮膚の表面に出てきます。しかし、何らかの原因で毛穴が塞がれてしまうと、毛が皮膚の表面に出てくることなく皮膚の中で成長してしまうのです。

埋没毛は、毛が生えている部位ならどこでも起こりうる肌トラブルですが、特に太くて硬い毛が生えている部位、皮膚が柔らかい部位にできやすい傾向にあります。
具体的に言うと、腕や足、ワキの下、デリケートゾーンなどは埋没毛ができやすい部位と言えます。

 

埋没毛ができる原因はムダ毛の自己処理?


出典:https://lab.datumou.news-postseven.com/ingrown-hair/

埋没毛ができる原因で一番多いのが、ムダ毛の自己処理だと考えられています。

例えばカミソリでムダ毛を自己処理すると、毛だけでなく肌の表面にある角質までそり落としてしまい、乾燥や肌荒れを引き起こす可能性があります。
また、毛抜きで毛を無理やり引き抜いてしまうと、毛根を傷つけ、毛根の周りの皮膚にまで悪影響を与える可能性があります。抜く途中で毛が切れてしまい、そのまま埋没毛になることもあります。

肌が乾燥すると、ダメージをそれ以上大きくしないように肌の新陳代謝を遅れさせる作用が働きます。肌の新陳代謝が遅れると古い角質がため込まれ、肌が分厚く・固くなっていき、毛穴を塞いでしまうのです。

こうして体毛が毛穴から出られなくなってしまうことで、埋没毛となってしまうのです。

 

埋没毛は治せる?

皮膚が正常な状態であれば、埋没毛は放置しても問題ありません。

皮膚は1~2か月の周期でターンオーバーを繰り返していて、皮膚が生まれ変わると同時に毛穴が正常に戻ります。埋没していた毛も、自然と皮膚の表面に生え出てるか、皮膚内で分解されて押し出されます。
つまり、埋没毛は時間の経過で元の状態に治るので、基本的には特別なケアは必要ないと言えます。

 

埋没毛を放置できないケース

埋没毛の周りの皮膚が赤くなっていたり、腫れ・しこり、痛みやかゆみがある場合は、毛嚢炎などの皮膚疾患になっている可能性が高いため、治療が必要になることがあります。

毛嚢炎は放置すると色素沈着を起こし、黒ずみの原因となります。なるべく早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

 

埋没毛を何とかしたい!自宅でできる対処法&予防法は?

埋没毛を早く何とかしたくて、無理に引き抜いた経験がある方も多いのではないでしょうか。

埋没毛を無理に引き抜くと、高い確率で再発するだけでなく、炎症や化膿を引き起こしかねないので、抜かずに正しい方法で対処する必要があります。

 

角質ケアで埋没毛を改善

埋没毛の対処法としておすすめなのが、スクラブやピーリング作用があるスキンケアを定期的に行うことです。角質ケアをすることで皮膚のターンオーバーが促され、埋没毛も自然に改善されていきます。

ただし、スクラブやピーリングは頻繁にすると逆に肌の乾燥を招いてしまうこともあるので、毎日ではなく週に1~2回に留めておくことが大切です。

 

ムダ毛処理後の保湿は必須!

乾燥して肌が硬くなってしまうと、毛が皮膚の表面に出にくくなってしまいます。埋没毛をなるべく早く治したいという方は、日頃からしっかりと保湿をすることが大切です。
ムダ毛を自己処理した後は、保湿クリームやローションでしっかりとケアするようにしましょう。

保湿は埋没毛の対処だけでなく予防にも効果的です。保湿により肌に皮膜ができると、ムダ毛処理をしても肌への影響を最小限に留めることができます。スクラブやピーリングの後も肌が乾燥しやすいので、充分に保湿しましょう。